今回のテーマは吾亦紅(われもこう)です。
すぎもとまさとさんの楽曲として一躍メジャーになった「吾亦紅」
しかし、われもこうっていったいなんだろうだろうと疑問に思ったことはないですか?
今回は吾亦紅(われもこう)という花の魅力と特徴について触れてみたいと思います。
Contents
吾亦紅(われもこう)について
吾亦紅とは
名前 ワレモコウ(吾亦紅 吾木香 我毛香)
科属 バラ科
学名 Sanguisorba officinalis
原産地 日本
「目立つわけではないけど味わいがある」
そんな言葉が当てはまるワレモコウは秋の花材として古くから親しまれています。
ワレモコウ自体は日本全国の山地や高原地帯によく見られます。
どちらかというと野草としての愛されてきたイメージの方が強いでしょう。
和歌では「我も恋う」と当て字で歌に詠まれ昔から親しまれています。
ワレモコウの属名はSan-guisorbaと言います。
ラテン語のSanguis(血)とsorbeo(吸い上げる)というところからきています。
これは昔吾亦紅のせんじ汁が赤痢の出血を止めるのに使われたことによるものということです。
すぎもとまさとさんの「吾亦紅(われもこう)」という歌は他界した母を思う歌です。
秋から冬の移り変わりを連想するような何か物悲しい雰囲気ですが
この花をメジャーにした1曲ということでは間違いありません。
由来
ワレモコウの名前の由来は諸説あり正確にはわかっていません。
こちらではその数点をご紹介いたします。
1 高浜虚子が読んだ「我もまた紅なりとひそやかに」という詩が関係しているという説
2 この花の花色について決めるとき、花自身が「我もまた紅なり」といったという説
3 枝や葉にかすかな匂いがあるためおこうとして使われたところからきている説。
「吾木香」や「我毛香」というような漢字があてられることから様々な理由が考えられます。
花言葉・誕生花
花言葉 変化 物思い
誕生花 10月28日 11月19日
特徴
よく枝分かれした枝の先に点々と暗紅色の実のような花をつけます。
秋を代表する野草の一つで秋の季語の一つです。
切花用に栽培されたワレモコウは初夏の7月ごろから出回ります。
見ごろ
7月から10月にかけて見頃を迎えます
育て方(参考出典:NHK出版 みんなの趣味の園芸)
品種
高原等で自生している野生のワレモコウは草丈が1mを超えます。
栽培品種としてよく見かけるのはタンナワレモコウとヤクシマワレモコウです。
育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
お日様が大好きな植物です。
日陰は向きません。(花つきが悪く頼りない感じになります)
ただ、葉に斑(ふ)が入った品種は、斑の部分の日焼け対策に真夏の間だけすこし遮光した方がいいかもしれません。
水やり
鉢植えの場合
表面が乾いたら十分に水を与えてください。
庭植えの場合
晴天が続き地面が乾燥がひどい様なら水を与えてください。
肥料
鉢植えの場合
晩春から初夏にかけて、草花用の肥料を少量施します。
庭植えの場合
特に必要ありません
病気と害虫
病気:うどんこ病
害虫:ハダニ
病害虫は稀に発生することがありますがそれほど重症化しません。
適時除去で十分です
用土
鉢植えの場合
水はけの良い一般的な草花用培養土が望ましいです。
ただし、極端に乾燥しやすい用土は控えてください。
植えつけ、 植え替え
鉢植えの場合
2月から3月に植え替えます。
株分けでも大丈夫です。
庭植えの場合
株分けで増やします。
3年から5年生株が目安です。
ふやし方
タネまき:
秋にタネを採取し冷蔵保管します。
種まきは2月から3月に行います。
株分け:
植え替え時に掘り出した根を剪定鋏などを使って切ります。
3から4分割が目安です
斑入り種はこの方法でふやします。
主な作業
支柱立て:自力で立っていられるならば必要ありません。
楽しみ方
名所で楽しむ
ワレモコウは基本的に高原地帯に自生する山野草です。
その為人工的にワレモコウをメインとした名所というのはあまり聞いたことがありません。
秋の公園や高原地帯を散策した際、ふと目にした花がワレモコウだったということは案外多いかもしれません
ガーデニングで楽しむ
ワレモコウはワンポイントとしての存在感がありお手入れが少なくて済むことから庭先の栽培に向くようです。
あまり日当たりの悪いところはよくなく、日なたか半日影が望ましいでしょう。
草丈が高くなるのが気になる方は、6月ごろに立て直しを行い短く管理するのがお勧めです。
植え付けは休眠期の種まきか春の株分けがお勧めです。
ワレモコウの苗はホームセンター等で入手可能です。
切花・花材として楽しむ
切花用の園芸種は6月ごろから花店で見かけるようになります。
初秋には秋の花材としてのたくさん出回ります。
10本ほどを単品で花瓶に活けるだけでも独特の存在感があります。
水揚げはいい方です。
水切りを行えば葉まで十分水が上がります。
特に秋のお月見シーズンの飾り花材としても魅力があります。
ススキ・オミナエシや黄色の小菊等の黄系の花又は素材と合わせるとお月見の雰囲気がグッと深まります。
いかがでしたか。
秋の訪れを告げるワレモコウ
公園などでふとワレモコウを見かけたときにもうすぐ季節の移ろいが迫っていると感じていただければ嬉しいです。